例の癖が出て…

本屋に足が吸い寄せられてしまう。そんな場合じゃないのに。振付考えなアカンのに。

かばん屋の相続 (文春文庫)

かばん屋の相続 (文春文庫)

せめてもの抵抗ということで短編集。
すらすらっと読めてしまうが、人の機微の部分が緻密に書かれていて面白い。
くどくなくて読みやすい。でもどれも少しだけ苦みが残る。
お金にまつわる話(支払期限に間に合うかどうかの瀬戸際)とかが特に。
本の題にもなっている「かばん屋」は京都で有名な、あそこですね。
もちろんフィクションなので、内実はそうではなかろうけれど「もしかしたら」と
思ってしまうくらいにしかその店のことは知らない。
相続騒動が起こるまでは「丈夫な布のかばん屋さん」くらいの意識だったし。
これを面白がる自分をやじうま的だなぁと思いつつ、すごく面白く読めた。