一人っ子傾向

秋のソロ公演(希望事案)に向けても歩を進めねばならない。
アケミちゃんにお願いして、甲南のレッスンの前に少しスタジオを借りる。
基礎の基礎から始める体力づくり。
ふだん踊りに携わっているせいで自分はなんとなく踊れる気でいるのだが
20代、30代ならいざしらず、もう50も目前になると衰えるスピードが早い。
年々足が上がらない。後ろへ反れない。回転が鈍る。
これはもう、きっと誰にでも訪れるのだろうけれど、いざ自分の身をもって知ると
なかなかにきついものがあります。それでも少しでもやっていけば向上することを信じて。
まずは踊れる身体のための基礎であるバーレッスンを確実に。
グランプリエすらきつくなりつつある膝に喝を入れつつ。
これもやっていけば、まだ今なら間に合うかもと思いながら。
腰が反れなくなっているのは最近のこと。こちらは平川先生頼みで。
自分で出来ることは股関節のストレッチくらいなので日常動作でもがんばる。
足首が痛いとか、どこが痛いとかいうのは、ま、なだめつつ。ケアもして。
いきなり飛ばすと後が怖いので、本日は上げる足も45度を限界としておく。
ゆっくりと身体の奥のほうから汗がじんわりと出たところで終了。
階下に降りるとアケミちゃんの長男で美容院オーナーのY君が居た。
「お疲れっす」と、最近では気軽に口をきいてくれるようになった。
今まではあんまり接触がなかったので距離の測り方が難しかったけど
やっと慣れてきた感じ。お互いにね。
「TVありますよ」あ?あ、ホンマやね。ここでみたりするん?
「いや、ボクTVっ子じゃないんで。TVほとんど見ないっす」
へぇ、そうなんや。私は見なくてもTVつけてたりするなぁ。家では。
音楽とかやと職業的に真剣に聴いてしまうし。別に寂しがりちゃうんやけど。
一人っ子やからかなぁ?小さい時からそうやったわ。
休憩しながらポツリポツリと話をする。
と、いきなりY君から質問。
「練習って好きですか」え?…踊りの?やんね。う…ん、一人でやるのは好き。
「オレ、大嫌いなんすよ」へぇ、そうなん?でも美容師の練習ってなにするん?
「アタマ使って、カットの練習とか…あれ、気持ち悪いんすよ」
あぁ、あの生首みたいなやつね。でもお客さんで練習ってわけにいかんよね。
私はね〜強制されるのは嫌い。自習とか、自発的なんが好きなん。一人っ子やから?
「そうなんすか…ねぇ」ごめん、気ぃつかわして。
こうしてレイ・ヤマダ(命名・Y君)に一生懸命話しかけてくれるY君でした。
ええねんで、一人っ子は一緒にいて黙ってても気にならへんし。お気遣いなく。