いずれみじんこ

バスに乗っていて右手の甲をふと見る。シワシワやん!とびっくりしたし。
でも子供の時からこんな手だった。幼稚園の時も、小学生だった時も。
なんか赤ちゃんみたいなぷちゅっとした手になりたかったけど
これはもうどうしようもない生まれつきのものだから仕方ないと
かな〜り早くからあきらめた次第です。見切りは早いのよ、昔から。
ふぅとため息をつきつつ窓を見やった時に残った違和感。
そうじゃなくて、私ここに傷がなかったっけ?
確か右手の甲のど真ん中には「やいと」の痕が残っていたはずなのだ。
…ないし。もしかして左だった?…ないし。やっぱ右手のはずだよな。
だって40年くらいは付き合ってきたんだもの。意識はしなくても覚えている。
まさか手がシワシワになったから見えなくなったとか?…悲しすぎる。
でも手をぎゅっと握りピンと張った状態にしても痕がない。
???消えたの?傷痕って消えるのん?
よくよく見ると何となくではあるが痕の部分が色が抜けている。
うむ。でも全然分からなくなっている。驚いたなぁ。傷ってなくなるんだ。
今やそんなに細胞活動、活発じゃないはずなのに(笑)
ここのところ、本当に断捨離に血道を上げているのだが
こういう、なんつーか生身のものって残るものだと思っていた。
ある種、究極の、身体に刻まれた思い出っていうんでしょうか。
手術のあともあるし、照明装置でついた傷もある。
でもこれらもそのうち「やいと」の痕みたいに消えちゃうのかしら。
家の中はスッキリさせよう作戦でドンドンものがなくなっている。
あれも、これも、いずれは自分自身もなくなる。いっそ潔い。
生きている以上日々、様々なものを取り込まなければ仕方がないとはいえ
いなくなれば物品全てはゴミと化す。(財産になるようなものは持ってない)
ということで、今日も断捨離に精を出すのよ。