『不惑のアダージョ』

6月に観に行きました。
不惑といえば40代ですが主人公は早くも更年期障害におそわれます。
なんとなく気分がすぐれなかったり、ふらふらしためまい(!)が
あったりと、まさに私ビンゴかしら?な主人公です。
主人公は修道女ですのでヴァージンなことも作用しているのかも。
何事か母親との確執があるようです。
シスターになった理由もその辺にあるのかも、と匂わせます。
その彼女が恋をするのですね〜。しかもバレエダンサーに。
かといって何かが起こるわけでもなく、今時なら中学生もしないような
それはそれは淡い恋です。このあたりの描写がとても素敵。
自転車で疾走する場面が印象的でした。
自転車ってのがいいです。ホントに中学生みたい。
さて、そんな主人公ですがオシゴトで出会った男性にストーカーされたり
また他の男性の生活に少しだけ踏み込んだことがウニュニュな結果を
招いたり。でもそれは主人公が心の奥で希望した事だったり・・・。
そんなこんなが、はっきりとしたやり取りではない中に表現されていきます。
この映画を撮った監督は若く「背伸びをして撮りました」と仰ってました。
本編の前にDV(共依存)をテーマにした短編も上映されましたが
この本編といい、その短編といい、描写するだけ、な感じの手法が
とても好感が持てました。
語りすぎない、上からでない、押し付けない。
それだけにエンターテインメント感は少ないのですが、余白がある分
こうして解釈をする楽しみもあり余韻も残る気がします。
う〜ん勉強になるなぁ。
もう上映は終わっていますが、そのうちDVDでも出るかな?
レンタルショップででも見かけたら気になる方はどうぞ。