初日後半(公演後記その3)

ゲネプロには全員間に合った。(学生がいるもので…みんな学校を早退した)
照明さん、音響さんとのキッカケ確認を中心に、「F」から順に通す。
みんなが費用を出し合った照明、音響、リノリウム、プログラムですよ〜。
充分に美しく見えるように、思いの丈を踊りきれるようにと願う。
このゲネはダンサーにとって大事だけれど、何よりも技術さんにとっては
これが命である。だって次は本番だもの。
ちょっとばかし問題があるとすれば、ゲネで本番の照明が見られないという事。
本番こうなります、というのを明かりだけの時に見せられても判断がつかない。
でもそれをしようとするなら仕込みそのものに1日かかってしまう。
そんな贅沢はしていられない。反対に音響さんは暇そうである。
うちの特徴で音源は完パケ(完全パッケージの略)であることが多いからだ。
それはダンサー側の立場としての私の感覚。
リハ通り、練習通りにやりたいのよ。間合いも含めて。
ダンサーは音のタイミングに敏感な動物だから、出来るだけ「いつもどおり」で
やれるように…と思うと自ずと完パケになってしまう。
そうなりゃ音響さんの当日は「ぽち」だけである。暇だよな〜。
それにしては今回はキッカケが多い方。そこだけを重点的に打ち合わせる。
音響さんと照明さんがお互いのキッカケを掴んで確認する作業も含みつつ。
だからダンサーの出来ははっきり言って知らん(笑)
だってさ〜、もうここまできたら後はダンサー頑張るのみやもん。
いやいや、頑張らなくてよろしい。いつも通り、踊りはじめたら世界に入ろう。
総じて、音響さんも照明さんもいい仕事をしてくださいました。
とくに照明は舞台の時しか確認できないものだから、たとえばゲネの時に
「あちゃ〜」となってもどうしようもないもの。それが全くない。
全くないどころか「こうきたか〜」と思う(私の中にはなかった)感覚の物を
見せられて、この時点で、これから照明はず〜っと栗原さんにお願いしようと
心に決めた。あとは低予算なのにもかかわらず、出来るだけ以上、私の要望に
応えて下さっているのがよくわかったし。感謝でした。
ま、どうやら表現したい世界を分かって下さっているようで、暗めだけどね。
そこまで暗くなくても…というところはいくつか直させていただきました。
でも、詩の朗読のシーンでは動きがあまり目に触らないくらいの明るさでと
お願いしていたので、もしかしたら観客には暗すぎると映ったかもしれない。
ま、そのあたりは後日の評となるのでしょう。
ゲネが終了したら、プレゼントタイムだ。(なにそれ?)
思えば初めての舞台の時から、出演者に感謝の言葉を伝えるすべに窮して
手紙を書いたのが始まりだった。
普段、みんながいる時には言えないその人へ宛てた言葉や激励、またダメだし。
今では必要不可欠となっている、ある種恒例の本番での御手紙渡しタイム。
今回はどうしてももう一度ダンサーに言っておきたいことがあった。
長い間練習をしてきて、たぶんずっと言い続けてきたに違いないこと。
もう、考えるまでもなくみんなの心に沁みついていると思っているのだが
そこはあえて、もうひと押ししておきたかったのだ。
もしかしたら、それがみんなのテンションやモチベーションを下げることに
なるかもしれないなぁと思っていても、今回はどうしても。
だって、それが欠けたら何のためにやってきたのかが分からなくなるから。
ダンサー出身の自分だからこそ掴んできた感覚、手ごたえ、信念。
賛否両論あろうけれども、少なくとも今回は私の創った作品をやってもらう
のだから、そこは私の信念をこれでもかというくらい焼き付けたい。
それが肌に合わなければ次回からは出演を見合わせる人もいるだろう。
でも、そういったことは既に潜り抜けてきてここにいる人ばっかりだ。
だから信頼して、思いのたけを吐露したお手紙を本番前に手渡す。
さて、それはどうみんなに映ったのか、響いたのか。あえて聞かないでおこう。
本番を通じて、この先も踊り続ける為の指針となってくれればと願うのみだ。
さて、時間も迫ってきました。開演ですよ。
と、その前に。ユニコさん、買い物行って来て〜。懐中電灯、5本頼む。
レクイエムで懐中電灯を使うシーンがあるのだけれど、照明がはいってみたら
どうやらそれは数が多いほうが効果的だと判明したのね。
100円ショップのある時代で、本当に舞台人は助かっていると思います。
時代に感謝やね。それに走り回ってくれるユニちゃんやイズミにも感謝。
ま、イズミさんは身体的事情によりガテンは無理やから、どうしても
ユニちゃんにガテン系が偏ってしまうので申し訳ないですが。
でも充分に蓄えたものがあるみたいなので、それを燃焼して頂こう。
それはこのため残しておいたんやろ?そうに違いない。役作り?来年の?そう。
冗談はさておき、アケミちゃんとこのパパやS平くんや、もちろん受付周りを
固めて下さっている出演者の保護者の方、アケミちゃんの生徒さんにも感謝。
私自身は役職的にどうしてもアチコチで呼ばれるので、いろんなものを
途中でほっぽり出していかねばならない時が多々あります。
でも、みなさんがお手伝いくださったおかげで安心してお任せできました。
本当にありがとうございました。次は4月もお願いねっ。(えっ?)