初日前半(公演後記その2)

金曜日の朝。9時にホール入りの為に6時起き、より前に目は覚めた。
緊張してるはずもないのになぜか眠れなかった。たぶん高揚しているのだろう。
荷物の確認をし、その日の家族の為の晩御飯(!)の支度をして、いざ栗東へ。
今日は誰も乗せずにひとり車を駆る。
音楽も聴きたいと思わず、いろんな段取りを反芻しながら走っていた。
とりあえず一番はリノリウム(バレエマット)を敷く。軍手も入れた。
今日はとにかく裏方でのガテン系。ユニちゃんがいるから大丈夫。
30分前に到着。よしよし。車の中で荷物の確認をもう一度。
あれ?お弁当その他のことを書いたメモがないやん!忘れたやん!
なんの為の確認作業だったのか…思わず「アホちゃう?」と一人ツッコミ。
ま、アホですけど。
そうこうしているうちに照明さん到着。イズミとユニちゃんも。
9時になったと同時に搬入口のシャッターが開く。照明さんの荷降ろしから。
えっさえっさと運んでいるうちにアケミちゃん一家到着。おぉ〜男手が来た。
アケミちゃんの旦那さん(パパ)と次男のS平君だ。
男手があると、そりゃ〜早いわ。荷降ろしの後は会場での設営。
この時点で音響さんはまだ来ていない。時差がある方が助かる。
照明さんは仕込みの為の増員が2名。複雑な作業は私たちは出来ないので
ひたすら力仕事に励む。
その姿を見てホールスタッフさんが若干びっくりされていたよう。
いえ、慣れてますから、こういうの。そうは見えないだろうけど。
つい最近では「ゲスト」で出演した高松公演でもガテンやったし。
そんなもん、出演しようがしまいが、関係ないのよ。予算の問題なんだから。
若い頃を思い出す。全国を公演ツアーで回っていた頃は、こんな感じだった。
仕込みを手伝い、踊り、バラし、積み込み作業もする。炊き出しもする。
良く考えるとあの時の私があるから、今に生かされている。
お嬢様ではこうはいかんだろう。このあたりは強み。自信を持っていいところ。
ケーブルだって巻けちゃうよ?(笑)
とにかくリノリウム…と思っていたら、照明の仕込みが先なんだそう。
そうですか、では、と座席の設営に入る。せわしないったらありゃしない。
まだまだ仕込みの途中なのに片づけるわ、イスは出すわ、箱馬は運ぶわ。
イラチですんません。だって、11時には弁当買いに行かなきゃなんだもん。
そうこうしているうちに音響さん到着。今度も荷降ろし、仕込みの手伝い。
なんとか11時までに片が付き、ユニコさんと二人近くのスーパーへ行く。
ねぇ、大前さん、と以前の舞台監督の名前で呼びそうになるユニコさん。
なんつーか、頼もしいわ。イズミさんはお残りで座席表の作成に血眼。
今回は可動席を使わず、フリーで座席を造ることにしたので大変になった。
予算の組み替えにアケミちゃんはバックに斜線を背負い、キレそうになりながら
費用を捻出する算段をしてくれている。
当初は可動席を使おうと思っていたけれど、前回のホールリハで席からは
舞台がまったく見えず。なんじゃこりゃ〜ということになって、急遽変更。
それに伴い手作りでの座席表が必要になったのだった。開場2時間前までにね。
そして細かい諸事情により、毎回の公演毎に座席数の増減をする。
ケチなようだけれども予算が限られているのだ。イス一脚50円でも削るのだ。
そうでないとアケミちゃんが透明になっちゃう。
アケミちゃんも「パパ〜んかママ〜んはどっかにおらんのか!」と叫んでいる。
心中、お察しします。
ようよう舞台が組み上がり(いや組み上がったのは座席の方だが)場当たり。
ゲネは1時間遅れとなったけれど、場当たりは1時間で済んだので結果オーライ。
さて、ここからはダンサーが頑張るところだよ。
つづく。