実動力

梅棹忠夫先生の対談集を引き金に著書を漁っております。
先生自身がおっしゃっているように、およそ芸術的ではない表現の本ですが
とにかく明確です。曇りがないです。
民族学の権威であるので、話は専門的な分野に及び私の理解力を遥かに超えますが
それでも面白いのは、分かりやすい表記だからなのでしょうか。
最後の対談集は、それこそ総決算のようなもので
とにかく端的に先生が語った言葉や思想、指向をみてとれます。
カタログのような本だなと改めて知ったのでした。
とにかくこの先生は強烈な方だったようです。
「きみ、それ自分でみてきたんか」と問われるのが常だったそう。
例えば本の受け売り、情報の受け売りを先生は信用しない。
自分で歩いてみてきたものしか信用しないという姿勢は徹底していたらしい。
怖いですね。でもとても魅力的ですし、深みを感じます。
踊り、舞台など抽象的な表現を生業としている側には
食い違う部分がもちろんあるのですけれども
(なによりイマジネーションの世界だし、見世物の世界だからね)
説得力ということを考えるに、やはり外せないところ。
その言葉を胸に私も精進していきたいと思います。