偽装問題

昨年秋から年末にかけて食品偽装の問題が噴出していた。
TVでもしょちゅう取り上げられて(というより、いろんな会社がおわびをするから)
コメンテイターの方がよく言っていた。
「偽装、偽装って、別にバナメイエビは自分の事を芝エビですって言うたわけやない」
「安いもんを高いもんと偽る人間が悪いのであって、ロブスターに罪はない」
「刻まれてたら普通の青ネギでも九条ネギですって言われたら、そうかと思う」
結局のところ、それを見抜けないでありがたがって食べる私達も悪いのだ、という
論調に落ち着いたような気がする。
もちろん「知っててやるほうが悪い」のは当たり前だが、さてそれを見抜く力が私達に
あるのだろうか、ということを図らずも突きつけられる形になってしまった。
今朝も朝ドラからの流れで某番組を見ていたらアナウンサーが突然のおわび。
例の現代のベートーベンと騒がれていた方の事だった。
私自身は特にファンでもなく、またCDを購入することもなかったので「ふ〜ん」で
終わってしまったけれど、かなりの数の方がショックを受けただろうなと思う。
でもね。なんかね。もちろん良いことではないけれどね。
その音楽が好きで感動したならそれでいいじゃないか、と思うんだけど。
その方の壮絶な生い立ちや病気によって、音楽そのものさえも素晴らしく感じたのじゃ
なかったのかなぁ、という気はする。
そういう裏設定(?)によってその音楽を好きになったとしたなら…。
彼のやったことはいけないことだと思うし、何よりも本人が自責の念に駆られている
事は想像しやすい。大丈夫かしら、と心配になったりさえする。
だけれども、マイナス要素が加味されていてプラスに転じていたとしたら
彼のことを糾弾できる人はどれくらいいるんだろうな、と思っただけ。
その彼の生い立ちがなければここまで感動しないのなら、それは音楽が可哀想だ。
ま、彼はかなり儲けただろうが、精神的に耐え切れずそれ以上の負債を背負うつもりで
公表したんだろうと思うと同情しちゃうなぁ。