同種属

幻想郵便局

幻想郵便局

少し前に借りていたのに夜は眠くてなかなか読み進めなかった本。
やっと読み終わりました。いや〜面白かったです。
就職浪人だったアズサ。資格もなければ免許もなし。唯一取り柄は「探し物」
そんな主人公の特技をあてこんで、登天郵便局というところから内定が届く。
そこは、あの世とこの世の境目に建つ郵便局だった…。
と、私の大好きなテイスト。しかも割にスピード感があったりして。
ジメジメしていないけれど、涙腺が刺激される場面もしばしばあったり。
ファンタジーだけれど、ただフワフワしているわけでなく。
なんだか懐かしいような気がしたのは同年代だからだろうか?…いや違うな。
著者は信じているのだ。死者の想いが残ることを。疑うことなく。
そして、そういうところ(郵便局)があればいいな、と思っているのだろう。
死んだらどうなるのか、はわからないけれど「おしまい」ではないはず。
そう思って私も「インヴィジブル・ムーヴメント」を創った。
かつて著者はいわゆる心霊スポットで働いていたことがあるらしい。
心霊スポットだったビルの一角に事務所があったらしい。
そこで、やはりそれらしきものを見たり聞いたり感じたりしたと。
怖くなかったってのが不思議な気もするけれど、彼女にとっては普通の事。
事務所死角で何かを食べていたりしたらしいよ、幽霊(笑)ほんまか。
でも確かに知らない人の幽霊とか、すごい形相の幽霊とかは怖そうだけど
ごく近い肉親ならどうか。…会いたいなぁと思ったりもするものね。
著者は、その後の東日本大震災で打撃を受けながらも強く思ったそうだ。
「死んだらおしまい、なんてことがあってたまるか」と。
そして、それを読んだ私は本当にこの郵便局があって欲しいと思ったなぁ。