向日葵の風景

ひまわり事件 (文春文庫)

ひまわり事件 (文春文庫)

読了。
老人の昔話には余り付き合いたくないと思う。
一回だけなら聞いても面白いが同じことばかり何度も聞かされたら
たまったもんじゃない、という気になるのは何故だろう。
それはたぶんアタシが冷たい人間だから。ふん、ほっといて。
なんとかケアっていうのに老人の話を聞いてあげるってのがあるそうだが
これ、とても私には向いてないなぁと思ったりもしていた。
昔話は共有の思い出を持つもの同士がするのが楽しいもんでしょう。
一方的に聞かされても、はぁそうですかとしか言いようがない。
話の中身にもよるし、話し方や相性もあると思うけどね。
たまに、もっと聞きたいと思うような話に出会わないこともない。
風景が浮かぶようなものだったり、ユーモアとウイットに富んでいたり。
そういう昔話は大歓迎なのだけれど。ワガママでごめんなさい。
作中のある意味クライマックスの場面で、ある老人の昔語りが始まる。
何故こんなことをしているか、の謎みたいなものが解き明かされる
大事な場面であるが、昔話の臭み全開で(もちろんそういう手法なのだが)
それが苦手な私は本を閉じたくなった。もうすぐお終いというページなのに。
荻原さんの本は今までも何冊か読んでいるけれど、なぜか今回
面白かったのだけれどなかなか読み進まなかったのは何故?
相性のようなものだろうか。文体の好みかなぁ。
それとも主人公がじいさんと幼稚園児という設定だから?
しかし読んでいて所々で噴き出す箇所もあったし
胸の空くような場面も、反対に歯噛みする場面もあったりと
TVの2時間ドラマをみているような軽快なドラマだった。
もしかしたらバァさんじゃなくてジィさんになる人に向いてるかも。