ここでも勇気をいただく

滋賀へ行く道中は花見客で溢れかえっている。
うちからは平安神宮のある岡崎公園や疎水沿い、インクラインを横目に車を走らせるが
ま〜どこもかしこも人ばっかり。みんな嬉しそうに桜を見上げている。春の光景だなぁ。
さて今日は最後まで振付をやっちゃうかな〜なんて考えつつ稽古場に到着。
やはりOさんの姿はない。電話しますね、と言いつつできてないからな〜。
と、H子さんが「Oさん、昨日検診に行ったらお医者様からもう大丈夫ですよって
お墨付きもらって、食欲出てきたわって言うてはったわ〜」と報告してくださる。
そうですか!それはなによりです。「今日、顔出すって言うてはったよ」あれ?そうなん?
とか言いつつストレッチしていると、Oさん登場!いや〜大丈夫ですか?大変でしたね。
痩せてはいるが、顔つきはすっかり元通り。もっと、こう、病人ぽいかと思ってたけど…。
「頑張って化粧してきてん!」あ、そうですか(笑)でもよかった。お顔が見れて。
腹腔内視鏡で手術したとはいえ、やはり腹筋は切っているそうでまだ力が入らないらしい。
「センセ、私、入院してる時、とてももう発表会なんか無理やと思っててん」と。
そうでしょうとも。そりゃそんな気にもなるでしょう。わかりますよ。
「できるやろか?もう振りも全部忘れてしもたけど…」
できますよ。大丈夫ですよ。まだ1年あるじゃないですか。ゆっくりやりましょう。
「そぉお?」そうですよ。まずはゆっくり養生して、徐々にやってくださいね。
稽古場が来年4月に建物ごと移転するそうで、その準備のために1〜3月は使えない。
その間どこか他の稽古場を探さなければいけないのだが、やはりお世話になるのはOさん。
「すみませんが、お願いできますか?」「はい、わかりました」即座に2か所出てくる。
病み上がりなのにすみませんねぇ。それからやはり発表会は滋賀でやることにしましたので
Oさんの生徒さん達に出演のご協力もお願いできれば。
「そうやねぇ。やりたい人いるやろしね」よろしくお願いします。
そんな話をしているうちに「治りかけたら忙しいわぁ」といいつつ顔が輝いてきた。
ここでもやはり(身体を壊すほどの)無理はせず。でも、少しだけ無理をして。
発表会がひとつの電信柱になればいいな、と思わされる。
「そうやねん。やっぱりちょっと無理せんとあかんねん」でしょ?
無理ができるというのが生きている証拠でもあるように思います。
ちょっと前のめり気味に頑張っていきましょう。
そして、私はこの人達が(あまり無理なく)輝けるような作品を手掛けたいと思います。