4月21日 発表会1日目 その2

午後2時からはゲネプロゲネプロすなわち本番通りの通し、である。
ホールでの場当たりと言うと、通常はプログラム順に沿って、出ハケや
踊りはじめのポジションやフォーメーションの変化などの目安をつけるのだが
今回はなんせ80名弱が一斉に踊るところがあるため(それも結構複雑)
どうしてもそちらが主体となり、第一部や第二部などは確認していない。
しかし、普段小さいところで踊っている(たとえば京都のメンバー)以外は
みなさん割合に大きなところで練習をしているので心配はない。ない…はずよ。
それにこの本番まで合同練習と称し、甲南のホールを借りてまでリハーサルを
何度も重ねてきたのだ。大きさに大きな違いはない。
ちゃんと袖が設置されていたり、緞帳が下りたり、照明機材や音響機材が
置いてあるだけで、踊るスペースそのものには大きな変化はないのである。
できないわけがない。
…。…?…!…(怒)なんでやね〜〜〜〜ん!と何度心の中で叫んだでしょう。
ま、第一部はエエとしよ。
第二部!あれはなんですカッ!なんでそーなるの?と言った欽ちゃんの心境だ。
出トチリ。振付間違い。人とぶつかる。どーしてなの?
今回は私も出演している(ちょっとだけどね)
だからすべてを客席でチェックしていないけれども、なんか空気がおかしい。
みんなテンパってる。そして袖で着替えながら垣間見るにガタガタだ。
子供達(含むアシスタント)はほぼ完ぺき。
滑って転ぶとかは間違いとはいわない。それはただのアクシデント。
緊張するのも確かにわかる。でもリハーサルの時や、稽古場でやっている時より
格段に音は細かいところまではっきり聞こえるはずだし(モニター4台!)
なにより百万回稽古してきたはずだ。なのに何故?この出来はなに?
これではお客様に見せられない!いくらなんでも不手際が過ぎる。
…とここまで考えて、今回の公演が私の予想以上にハードルが高かったのかなと
遅まきながら気づく。…私がわるうございました。デモ…ナンデヤネン。
まぁねぇ「ありきたりの発表会はヤダ」ってのは確かに私の勝手な思いです。
それは重々承知しています。でもさ、この歳になってお茶は濁したくないわけ。
ま、エエやん、で済ましたくないわけ。
だって先は考えるより長くないはずだから。一回々々全身全霊全力投球。
例えそれが発表会であろうと、公演であろうと、自分のソロであろうと。
それとも気持ちがあっても出来ない…とか、そういうこともあるわけ?
もしかしたら高齢(!)の方はそんなこともあるかもしれない。
でも、それを見越して少なくとも1年以上はこれにかかっているじゃない?
中には2年越しの作品だってあるわけじゃない?これ以上、どうしろと…。
なかなかに厳しい心境でございました。たぶん顔が怖かったと思う。
そして、めでたく(…めでたくない!)ゲネが終了し、開場までわずか40分。
全員集めてのダメ出し。「このままではとうていお客様にみせられません!」
めったに本番前にこういうダメ出しをすることはない。
できれば「うんうん、上出来だよ〜そのままで頑張って!」と見送りたいよ。
しかし、そんなことなど言えるはずもない!(くらいボロボロだったのだ)
ふと見ると、子供達しゅ〜〜〜〜ん!
しまった!アナタ達に罪はないのよ〜。ごめんごめん。
「子供たちは、よくできてます」…遅いか。ダメ出す順番間違えました。
何より間違った当人たちの顔がこわばっていたので、それ以上は言えない。
言えない代わりに大人だけを残して何度も間違えた部分をおさらいした。
…これで上手く行ってくれるといいんだがな〜。
一方、上手(かみて)花道ではH氏が桜の木のメンテナンスに余念がない。
本当にきめ細かく面倒見て下さいました。ありがとうございました。
おじいさんが撒いた桜の花びらまで拾い集めていて下さる。
それをいいことに(H氏に任せておけば大丈夫)でいろんなことチェックせず。
H氏、頼れる。が昨日、六ツ割を忘れたところが一番H氏らしかった(笑)
きっとご本人もそう思っていらっしゃるに違いない。
この「なんか一点抜ける」のがH氏らしいところ、というのが
お付き合いも長くなってきて分かってきたところである。みんな本当に個性的。
おかげさまでレイワークスには面白い人が集まっています。
受付周りはイズミに任せっぱなし。とはいえ、今回は普段なら踊っているはずの
若い子も受験や就職活動でお休みとのことで、お手伝いしてくれた。
みんなとてもしっかりしてきているので「使える」ように。
本当に助かりました。岸家の嫁であるTちゃんもチケット交換の一番厄介な
ところを担当してくれたんです。
もしかしたら今回ちゃんと舞台を見ることができなかったのでは?と心配。
でもおかげで煩わされることも、何の心配もなく、私達は舞台に専念することが
できました。本当にありがとう。
不手際はソレとして、ひとつの集団が成長していく手ごたえを感じました。
それはもちろん私の功績なんかではありません。
みんながそれぞれに成長しているからこその結果だと思います。
周辺がそうやって頑張ってくれている分、やはり舞台も頑張らないと。
そんな思いを強くしながら、メイクも直しつつ、本番を迎えました。
<つづく>