『LISTEN』
『LISTEN リッスン』http://www.uplnk.co.jp>listen
インプット週間まだまだ続く。at 立誠シネマ。
Facebookに流れてきて絶対に観たいと思っていた映画。
出演者は全員聾者。ゆえに映画も60分間無音なので、と受付にて耳栓が配られた。
これ要る?と思ったけれど意外に室外機のモーター音や人の歩くギシギシミシミシ音が
聞こえてくるようなので耳栓を使用して鑑賞。
この映画、聾者が音楽もなくてダンスが踊れるだろうかということに端を発して
手話がひとつのとても繊細な物語を表すように、たとえ耳が聞こえなくても
その内なる情熱とメッセージが踊りになることを証明して見せた、という感じ。
とてもよかった。ただ、音楽に合わせた踊りというものは難しいのだろうと理解した。
それぞれが表現するものはいわゆるコンテンポラリーダンスであり、またグループで
同じ動きを何度も繰り返し、その中で各自が少しアレンジするような動きのダンスも
あるにはあったし楽しそうだし言い方は悪いけれど成立はしていたと思う。
でも音楽との相乗効果を望むようなダンスは難しそうである。
けれどもその魂の叫びのような動き(たまに)はとても目を惹くし、感動的。
中でとても物語性のある手話を使う男性が語った「昔は音楽の授業が苦痛だった」
という話になるほどと納得させられたし、今からでも遅くないと思った。
彼曰く、養護学校での音楽の授業は「発語」に重点が置かれ、純粋な音楽の授業では
なかったらしい。
そりゃそうよね、発語は耳の聞こえない人には大変だと思う。
もちろんそれ(発語)も大事なことなんだろうけれど、もし授業に身体で感じる音、
例えば太鼓の響きとか空気の震えによって感じられる類の音楽があれば
それはきっと楽しかっただろう、と。
やはり健常者にはわからないこと、思い及ばないことがあると思った。
でも学ぶことはできるはず。
手話のポエムがとても素敵だった。