千本のおばちゃん②
翌木曜日、朝からあちこちに連絡をしつつも、ご遺体は帰ってこず。
ちょうどおばの家に着く時にダーリンも東京から一旦帰ってきた。
そう、この人がいないと始まらないので。休ませてもらえてよかった。
事件性はないのでご遺体の帰宅がそんなに遅くはならないだろうと言われているが
私はこの日もレッスン。3時間だけ行ってきます。はい。
レッスンが終わっておぼの家に直接向かうとまだご遺体がない。なんで?
聞くと、どうやら亡くなったのは1日の夜、そして発見は3日ということで
丸1日湯船につかっていたことになる。夏ということもあり結構体内の腐敗が
進んでいるとかで、ドライアイスではなくエンバーミングと言われるものを
施すことにしたようである。
検視の結果は「心臓死」つまり寿命と考えてよさそう。
脳に出血もなく、寝てしまっての溺死でもなく、心臓が止まった。
しかも前日まで元気で。何の長患いもせず。お見事。
おばの望んでいた通りの死に方といえる。
ここ数年は足腰が弱ってきていたので「誰かの世話になったらどうしよう」と
言っていたからね。
親族としてはそうなった時のことはうっすらと考えてもいたのだが。
一番頼りにしていた甥、つまりうちのダーリンが4月から東京へ単身赴任になって
そうしょっちゅうは会えなくなって心許なかったことだろうなと思う。
そのダーリンが見た不思議な夢の話はまた追々に。
金曜が通夜、土曜が葬儀と決まった。
叔母はエンバーミングしてもらって直接、葬儀会場に運ばれることになった。
ちょっとだけかわいそうかな、と思った。一日、家においてあげたかったな。
それに私たちの大分行きはキャンセル。仕方ないね、こればっかりは。