岡本信人さん

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立て続けですが。ままま。
これはぐっと恋愛モノでございました。
突然、降ってきたように現れた行き倒れ寸前の彼(イツキ)を助けた独女(さやか)。
一食(インスタントラーメン)と一泊(寝袋)のお礼にと、翌朝彼が作った卵と玉ねぎ
オンリーで作られた食事に胃袋とハートを鷲掴みにされたさやか。
つい離れがたくなり、ルームキーパーを彼に要請する。
そして行くあてもない彼は承諾し、性的関係一切抜きの健全なる同居が始まる。
と、まぁ、アリエナーイ感じの展開だけれども、いいのよっ(笑)お話なんだから。
アリエナーイ、とは思うものの、アレバイイナーとは思うわ、こういうの。
でもファンタジーですからね。設定自体がね。
この彼は同居中、一切自分のことを明かさない。謎めいている。でも紳士。
だんだん彼に惹かれていく主人公は、知りたいけれど、言いたくなさそうな
彼の過去に触れると機嫌が悪くなって出て行かれそうで怖くて聞けない。
このあたりの心理描写は詳しくないのだけれども「わかるわかる」となるところ。
この彼はやたら植物に詳しい。
月4万円で二人分の食費を賄うことを課せられているから、と言うわけでもないが
季節柄、ちょうど今頃から夏にかけての物語で、野山にいろいろ生えてますわね。
それを摘んできては食料にしたりする。
フキノトウに始まり、つくし、よもぎ、のびる、ふき、クレソン、アップルミント等々。
読んでいるこちらにも香りが届きそうなレシピの描写と共に。
ついにはゆきのしたやイタドリなど、なかなかツウごのみのものまで。
なんでもかんでも天ぷらにしてしまう岡本信人か、と突っ込んだわ(笑)
でも、かくいうワタクシも、実家の継母がそういうのが好きな人でですね〜
「これどうやって食べるの?」と聞かずにはおれない謎のモノを時折届けてくれるので、
おっかなびっくり食すことがあるのですよ。
だから、この本に載ってたやつって実はたいがい知っていたりして。
そっちにびっくりしたのでした。
あ、本編の恋愛モノも良かったです。アリナーイことだらけやけどね。