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流される人達

ねむり姫で共演した方々が出演しているので、と劇研に行ってきた。

演劇集団Hauptbahnhof(ハウフトバンホフ)の『和え物地獄変』 

当代随一の腕と名高い葛飾北斎が、妖怪と出会い、その妖怪の目を描いてやったことで 

現世で絵が描けなくなってしまう。妖怪は写楽となり、北斎の後釜に。

しかし写楽は「見たもの」しか描けない。版画屋の意向でまだ見ていないものを

描かされるはめになった写楽の絵は売れず、代償として川に流される。

あの世とこの世を行ったり来たりする北斎と写楽。

北斎は再び絵を描くことができるのか。

というのが大筋で、アクセントに崇徳上皇のお話が入ってくる。

このお話自体、芥川の地獄変を取り入れており、芥川の地獄変自体が宇治拾遺物語

アレンジしているので二重三重の入れ子構造な物語になっている。

とても面白かった。まず始まりの口調や小道具の使い方がすべて落語調。

しかも上方落語ではなく関東の風味がする。なので見始めは馴染まなかったが

「そういうものね」と思えば、語りとして聞こえてきもし、気にならなくなった。

地獄ではえらく現代的な閻魔様やBL的要素の強い小野篁がいて、おまけに篁が

京ことば。しかもたぶんそれをやっている女優さんは京都の人ではないんだろう。

微妙にアクセントが怪しくて、それがまた物語と役柄にはまっている。

遠目に観たら友人のありんこ天国のありちゃんに見えて仕方なかった(笑)

白眉は崇徳上皇役をやった山下多恵子さん。ねむり姫では道々のお母さんで

長ネギでねむり姫をドツキまわしてたエキセントリックな役どころだった。

それがどうしたことでしょうというくらい素晴らしい。ビフォーアフターか。

個人的に崇徳上皇(という人物)はお気に入りなので、それもまたよかったし。

今回もまた(?)妖怪だったのは楠海緒ちゃん、摺り師の集団の一人、または

・・・ごめん役名忘れたけど結構目立つところでガトータケヒロくん、演出助手に

にさわまほさん、と濃い日々を共に過ごしたみんなを見ることができて楽しかった。

そうそう、この舞台美術が素晴らしかったのだけれど写真撮っていいですと

言われつつもなんとなく劇場ではそんな気になれなくて撮らなかったの。ごめんね。

それにしても動くものを見るとどうしてもダンサー目線で見てしまうのはけないなと

自戒している。でも不思議に心の動きまで見えちゃうんだよね。

ああいったお芝居でのマイム的なものは場面にもよるけれど無心でやってほしい。

それに最近はわりに芝居の現場で踊りや動きを取り入れる傾向が強いけど

これも個人的にはビミョーだなと思ってしまう。ここだけの話。

みんなが上手くこなせてるとは限らないからね。

やっぱりそれなりの訓練を経た人でなければうまく目立たずにはおれないようで。

それにしてもこのお話でも主人公たちは川に流されるのだよね。流行りかしら(笑)