今日は菊の和菓子の日

少しは有川氏から離れてみる。

和菓子のアン (光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)

光文社だ。それに帯にもミステリーと書いてある。
和菓子にミステリー?へぇ〜?ということで読んでみた。
なんじゃこりゃ。ほのぼのミステリーやん!ていうか、そもそもミステリーに
「ほのぼの」はミスマッチやろ!と思いつつも、その美味しそうな描写の数々に
ついつい最後まで引きずられた体。
和菓子って、確かに繊細ですよね。いや、洋菓子も繊細な技術は要するだろうが
和菓子はもっと何ていうか手仕事感があるっていうか。
洋菓子は手で直に模様をつけたりすることってまずない。
クッキーでさえ焼いてしまう工程において「手」の感触は残らない。
クリームだって絞り布を通して絞るものね。
赤福みたいに指の形を模様にしたりはしないでしょう。
それが苦手な人がいるのも知ってる。手で包み込まれたものを口にするのが苦手
と言う人たちが確かにいるのは知っているけれど。
その感覚がわからなくもない(時がある)。
「誰が握ったかわからないおにぎりは食べられない」という人が割合多いことも。
清潔感がある事、作り手の顔が見えることが前提なんだ、そういうものは特に。
顔が見えないなら機械化されている方が気にせずに済むようになってしまった。
でも昔はもっと大雑把に雑菌まみれだったような気がするなぁ。
駄菓子屋に売っていたお菓子なんか最たるものだったような気がする。
いちごあめとかむき出しだったもん。せんべいだって容器から直につかんでたし。
…とか、本の感想とは全く違うことに思いが波及したりして。
ミステリーと語らなければ、面白かったです。だって大した謎ときじゃないもの。
ただ和菓子にまつわる物語や謂れについてのお話は興味深かったし
上生菓子を買いに行こうかなぁという気にはなったな。
思えば今日は9月9日、重陽節句。でも和菓子の世界だと旧暦でやるのかな?