DNA

急遽代役の作品。実はとても良く知っている人の作品。
よく知っているどころじゃなかったりする。
理由あって名前をここで明かすのは控えておくことにする。
まさか、こんな形で彼女の作品を踊ることになるとは思っていなかったし
彼女もまた私が自分が振付けた作品をまさか私が踊るとは思っていないだろう。
ずいぶん長く会ってはないけれど、クミちゃんを介して
なんとなくお互いの動向はわかっていたような気がする。
寝食を共にした仲間。一番熱い時を共に過ごした仲間だったひと。
実際に会ったらどんな話をするだろうなぁ。
お互いの数年の来し方を報告し合い、また踊りについての話もするだろうか。
お互いに歳いきましたなぁ、という話にもなるだろう。
いつもすごく近いところにいたのに理解はしあっていなかったと思うし
今、それをどう考えても、やはりもとより無理だったようにも思う。
けれど、お互い何か琴線に触れるものがあったから、あの場所にいたわけで。
彼女の振りを踊りながら自分にも流れているであろうDNAを探す。