人生の忘れ物

先日クミコさんと四方山話していた時に出た話題。
ジャズダンスブームのあたりから踊り始めた方々は健在である。
その頃にダンスを始めた私みたいな者もいれば
すでに子育てを終えて踊り始めた人や、また渦中だった方も
時を経て紆余曲折ありつつも踊り続けていることが多い。
みんなやっぱり踊りが好きなのねぇ、と思う。
思うが頭の片隅では本当にそれだけだろうかと疑念がよぎる。
演劇などは年を経て味が出てくるだろうし、息も長い。
しかし、やはり踊りに関しては20代が体力のピークであり
技術を身に着けようとしてもそこからは難しいことのほうが多い。
でも反面、表現力や実生活に伴う経験や創造・想像力は上がる一方。
両方が重なる時期はすごく短い。ゆえにとても輝いて見える。
けれどもピークが重ならなかった方も多い。
環境にもよるし、本人のやる気みたいなものもあるだろうけれど
全てをなげうって投じることでしか得られないものが確かにある。
でも普通は無理。特に主婦だったりすると抱えるものが多すぎる。
主婦でなくとも「ひとりで生きていかねばならない」人もそう。
この世界に身を置くには危険すぎる。何の保証もないのだし。
まっとうな感覚の持ち主なら足を踏み入れたりはしない。
まともな世界では生きていることが感じられない人間達が
唯一息のできるところとして存在している場所だと思う。
はたから見るととても魅力的な感じがするんだろうなぁ。。。
後にも先にも厳しい場所だけどね。
ええかっこしているわけではなく、相当やさぐれた精神でないと
勤まらない世界だなぁと思ったりもしている。
でだ。
当然のことながら遅まきにしてこの世界の魅力にどっぷりと
はまり込んでしまう人も一部いるわけで。
もちろん生活すべてをなげうったりはしないけれど
「これがなくては生きていけない」状態になっているはず。
細く、でも長くこの世界にとどまり続けている人たち。
ダンスゾンビである。
見方はいろいろ。もうやめとき…と言われもするし、
却って(同年代の)励みになっていることもあるようだ。
線引きは難しい。性格にもよるし環境にもよるだろう。
厳しい見方をされるとわかっていながらやり続けるのも勇気。
私にはそういう方々は何かしら青春の忘れ物を必死になって
取り戻そうとしているように見える。
いいとか悪いとかは誰にも言えないよね。
(好きか嫌いかは言えるけどね)