ナゴコン番外編

「時代横丁」演目は三幕。江戸時代くらい?が舞台のお話らしい。

それのせいか客席は年齢層がぐっとお高め。私たちが一番若いくらい。

笑点感がただよっておる。私、実は時代劇的なものが苦手でですねぇ。

すこ~しだけ心配していました。開演まで。

しかし、前説でそれらはすっかりふっとんだ!

メンバーさんは人形劇団を主宰されている方が多いらしく前説に

大人の上半身分はある大きめのおじいちゃん人形を操ってらっしゃるのだが

人形そのものより、前説のユーモアがツボ!

っていうか、これ、私がやりたいと思っているスタイルと同じ!

俄然、本編にも期待が持てたところで、はなこさん登場。語りべ役なのね。

はなこさん安定の語り口。言葉も明瞭で素晴らしい。

しかし、お芝居にもびっくりした。元々は朗読劇から始まったと

パンフレットに書いてあったので、そのスタイルを踏襲されているのか

芝居なのに全員が前を向いている。えっ?

初めはびっくりしたけど確かにアクティングエリアもそんなに広くないし、

時代劇的な装置や美術をするにはちょっと無理のある空間ではある。

そして衣装は先ほどのカラー作務衣のまま。

お殿様であろうと農民であろうと語りであろうと、全て着た切り。

潔い。そして反対に話の内容を邪魔しない。なるほどな~。勉強になるわ。

二幕目でははなこさんは役者として、三幕目は落語がベースのおはなし。

こちらの主役メンバーさんの夫婦役がとても面白く(両方とも男性)

女房役をされていた方が歌丸師匠がかつらを被った風にしか見えなくて(笑)

ビジュアルからしてわらけるのに、まぁその内容と来たら・・・。

風刺も挟み込みつつ、とてもとても面白かったし、加藤K子さんという

女優さんの声色での芝居の素晴らしさったら!

声色一つで役が見えるなんて、ほんとに素晴らしいとしか言いようがない。

人情ものあり、武士ものあり、アクションあり、スローモーションあり。

ところどころにホリゾントだけの明かりで前を消し、シルエット状態で

情景を表現されるのだけれど、これが影絵のような、紙芝居のようなで

とても効果的でありました。

客席に比例して出演者も年齢層お高め。というか、今はお高めになったのだろう。

長く続けてらっしゃることが見て取れるような、隅々までベテラン。

本当にすばらしい。これ、若い子たちが観ないのはもったいないと思う。

確かにスタイルや題材としては古さを感じるかもしれない。

小劇場や商業芝居の明るさ、派手さ、垢抜け感はないかもしれないけれど

泥臭くても洗練されている。練られまくっているのだ。

だから安心して委ねられるし、泣いたり笑ったりが印籠のようでも

まったく気にならなかった。

感じとしては大衆演劇チックではあるのだけれど、もっと演劇寄りである。

客あしらいもすごくお上手で、それなりに固定客をさわりつつ、いろんなものを

下げまくっているけれども全然なぁなぁにならず、あくまでもホスピタリティ第一。

終演後に抽選会なるものもあって、なんだなんだ?レイワークスと似ているものを

感じるぞ、だったのでした。お客様に対する感覚が似ているんだろうなぁ、きっと。

本当に素晴らしかった。また観に行きたい。絶対行きたい。

関西人の私からすると名古屋弁がとても新鮮で面白く聞こえたのもあるし

なにより私たちより先輩の皆さんがまだまだ精進されている感じを受け取ると

こっちもまだまだ頑張らなくちゃ!と勇気と元気がもらえるのだ。

いや~来てよかった。そうそう、山内君は本当はこの日は出番がなく

急きょ他での本番が終わってから駆けつけてくれたらしく、第三幕に

気が付くと居たという「君は忍者か?」とみどりさん共々びっくりして大笑い。

はなこさん、山内くん。楽しいひと時をありがとうございました。

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