『アンデルセンの旅』本番

いよいよ本番を迎える。ゲネ終了後は特に返しもないが、いくつかの修正点を

各セクションで手当てした。あとは細かく演出部サイドでツアーの問題点を

洗い出し、安全面で気をつけなきゃいけないところなどを共通確認。

誰がついて、誰がどういう動線で誘導するか、など。

私自身、今回はまるきりスタッフで出ることもないからツアーに帯同しようと

思っていたのだったけれど昨日のゲネで代役の代役として衣装の引き抜きを

したのだが、結局は本番もお願いしたいとのことで・・・黒を着てきたよ。

出るんかぃ、と。ま、ええけどさ。

助っ人のスケジューリング管理ができていなかったようである。

学生さん、今回関わってみて色々と勉強になったかな。(泣いてたもんね)

今朝は保留になっていたシーンでの手当てをしながら、みんな本番のワクワクと

ドキドキが止まらないようだ。体調悪かった人も何とか復調。(無理やりでもね)

しかし、ここへきて昨日まで大丈夫だった人が体調不良で昼入りとの連絡。

およよ。大丈夫なん?みんな若いからいろいろ波があるよね。

ただ、その人はダンス場面では頑張ってくれていてほぼ皆勤賞。

そういう人への信頼はおのずと篤くなるもんだね。

朝にリハーサルというのはなくて、手の空いている人たちのみでストレッチ。

およびレクリエーション(笑)まぁでも一回くらいは踊っておきましょうか

ということでフィナーレのダンス。もう言うことはない。がんばって、楽しんで。

開場と同時に小さい子供たちがいっぱい入ってくる。

50名強の子供たちとその保護者で100名強。そこへ帯同スタッフやらで都合140名の

大勢のツアーとなった。わらわらわらわら。

しかしさすがに子供は食いつきがよろしいようである。

私は自分の出番まで潜んでいたので知らないけれど、女の子たちには人魚姫の

悲劇が大好評だったようである。そういえば私もその昔、人魚姫にはまった気がする。

アンデルセンの帽子を巡る旅、大団円のダンスでは曲芸はすべて成功!

やっぱり本番への真剣度と練習と執念と集中力やね。

オペラカーテンが閉まる時には着ぐるみのユキちゃんが一番目立っていたことは

みんなには内緒にしておこう。

終了後は大ホールでは早速バラしが始まり、楽屋では大撮影大会が開催された。

お決まりの全員での撮影も終わり、その後の閉講式は中ホールにて。

いつもこれが一番緊張するわ。なんてったって何かを喋らなくちゃいけないから。

スピーチまではいかないにしても、何かしら言わなきゃいけないのはプレッシャー。

今回は大いなる非効率と手作り感について。何人かうなづいてくれていたのは

心強くて嬉しかった。

その後の交流会ではいろんな方とお話ししたがみんな一様に楽しかった、と。

特に出演者は来年も出たい!という人が多かったし、ダンスでの関りで

頑張ってくれた体調不良の子もそれは輝く笑顔で「こんなに楽しかったのは初めて」

と言ってくれたのがすごく嬉しかった。

やはり、どんな世界においても真面目に頑張れる人は残るし、信用される。

また風合いの合わない人は速い段階でいい加減になったり、早々と去っていく。

それぞれが自分の居心地のいい世界で活躍できればそれに越したことはない。

でも、やっぱり舞台ってやつは時間がかかる手作りであるのは確かだ。

それを好きな人だけがやっていける世界でもある。

来年はまた違う展開が待っているだろうけれど、毎回毎回のこの舞台は

私にとって、いつまでも宝石。ありがとうございました。

また引き出しをいっぱいにしなくちゃね。