某大学その1

朝から気分が悪くて、でも嫌みを言われた手前、意地でも普通を装う。

家族を送り出し、家事をし、きなちゃんのお散歩へ行き。うん、意外にイケるな。

大丈夫かも知れないな~と思うに反して声は全く出なくなってきた。

今日は大事な稽古の日。休めない。ただ、ダンスの練習は今日は無い予定。助かった。

身体もアレだけど、声が出ないのに指導するのは結構体力を消耗するものだ。

夕刻、資料を携えて山の手の某大学キャンパスへ。

今日はここの学内スタジオにて学生たちのプレゼンとこちらからの説明など。

演出は当然、ここまでに何度かは学生たちともやりとりしているので顔見知りだが

私はこの企画になってからことごとく顔合わせの機会にはリハが重なっていて

これが初顔合わせ。基本、私はフリーの立場だが、この企画に関しては劇団の所属と

して観られる立場だということを自分でも再認識しておかなければと思う。

劇団員とは数年間、この企画を共にしている仲間なので無問題だし心強い。

自分の立ち居振る舞いが劇団の一角になることを意識して。

しかし潤沢な資金力を感じさせるキャンパスだな~と羨ましく思う。

こんな整った施設の中で舞台芸術や映像の事を学ぶというのが私にはピンとこないわ。

そういう時代なんでしょうなぁと思わず背中が丸くなって、おばあちゃん気分だよ(笑)

キャンパスはちょうど授業が終わったころで学生がそこここにたむろしている時間帯。

どの子の顔も輝いているのが印象的だった。

ここの学校に通っているのが誇らしく、嬉しいという風に読み取れる。

もちろんそうでない学生もいるだろうけれど、大学は基本、嫌なら行かないもんね。

私はそっちの心象風景に興味を覚えた。

ともすれば若気の至りにつながるかもしれないけれど、誇りを持たせることは

悪い事ではないな~と学生たちの顔を見て素直に思えたよ。

ところでどうやって誇りを持たせているんだろうなぁ???そこが知りたいわ。

今回の企画には出演者としても大学生が絡んでいる。

その大学に通う子も参加しているが、これまたかなり厳しい金銭事情があるらしい。

その大学に通っている事と、その子の置かれている状況のギャップに戸惑うが

きっとこれがデフォなのだろうなぁ。認識を改めねばならんかも、と感じる。

ちょっとした稽古中の差し入れ(たとえばミニドーナツとか)を拝まんばかりに

ありがたがってくれるのを見て戸惑う私。今の若い子のデフォ。だな。

いやいや、若い子にお金が無いのはいつの世も、だ。

大した面倒はみてあげられない。でもできる範囲でやってあげたいとも思う。

だからおにぎり一個でも助かるならしてあげたい。私もそうしてもらってきた。

自分が長じたら恩を下の世代に返す。

この世はお互いさまで成り立っているんだよ、たぶん。