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レーゾンデートル(2)

公演

初日のお客様、大体は把握しているせいなのか全く緊張と言うものがなくて焦る。
私は心臓に毛が生えている(ワイヤー級の)と言われるし自分でもそう思うのだが
ここまで緊張しなかったことはかつてないくらい。安心感なのだろうか。
緊張の無さが変な方向に出ないようにしないとな〜と考えながら詩の朗読の中
スタンバイする。スタンバイする時から見えているのだ。所作に気を付けて。
さぁ、表現だ。自分の中にあるものを嘘偽りなくさらけ出す覚悟で。
今回のソロでは練習中から前とは違うという感覚を味わっていた。
時は過ぎるというのか、やはり当時は自分から遠ざかっていて、それは前回より更に
遠くなっているという感覚があった。だからどう、ということはないのだけれど
あえて言えば当時のことを「一生懸命」思い出そうとしている自分がいた。
それほどまでにもはや遠くなっているのだな〜とかなり感慨深かったと同時に
若干焦りましたですね。当時感じていた恐怖や空虚感やいや〜な感じというのは
残っているのだけれどリアルさがずいぶんと遠い。日にち薬というやつかな。
たぶん日常があり、しかも周りの状況がどんどん変化していくことで(特に家族)
ひとところに留まっていられないというのか、知らず離れていたのだな、と思う。
常日頃は自分だけに費やす時間が少ないと文句を垂れそうになるが、それは反面
こういう体験をした人間には良い事でもあるのかもしれない。
だから今回は最後のシーンが一番愛おしく思えた。
過去を抱きしめると同時に当時の自分を抱きしめたような感覚。救われる。
感慨に浸る間もなく早替わり。アキの作品は映像から始まる。
初めてみた人には映像と実際行われている事との間にどういう関係があって、
どういう風に成り立っていて、というのが理解しにくいかも。
一応、ストーリー仕立てになっているのだけれどオムニバス形式なので一度では
ハッキリとしたバックボーンが見えにくいだろう。でも楽しい。
舞台は某アパートメントのシェアハウス。今日も男性は告白できずに帰ってきた。
別の日、みんなが集まるダイニングでのやりとり。(これがダンスシーン)
冷蔵庫に置いていたはずのものをシェアしている住人に勝手に食べられてしまう。
行き場のない怒りをぶつけられずに妄想で暴力をふるう2人と意地悪く食べちゃう
2人のやりとり。場面は変わり。寝ようとしたら誰かが帰ってきてドアを閉めたり
ノックの音がしたり、果てには目覚ましの音や鳩時計まで鳴り出し不眠になる人。
このシーンを担当するように言われ打撲痕多数となったワタクシである。
場面は変わり、白い帽子をかぶった女性と黒い帽子の男性。
白い帽子はHappyになり黒い帽子はUnhappyになるしくみ。
取り替えたりしながらも結局、男性は黒い帽子をかぶっている。場面は変わり。
女性3人。デートのお誘いの電話がかかってきてさぁ大変。洋服を選んでいる。
部屋もシェアだが洋服もシェア。イケてる洋服の取り合いをしているうちに
彼氏がインターフォンを鳴らす、ところで場面が変わる。
この着替えのシーンで衝撃の下着姿になることに!いや〜こわいわ〜。
えぇ、私は大丈夫ですけど、観た人は大丈夫だったのかしら。熱出てない?
再び男性。部屋に1人。絵に向かって女性に花束を渡す練習をしているところ
絵から女性が出てきてなんとなく励まされる…感じ。場面が変わり。
男性、部屋に1人。ニワトリの人形を持っている。チキンダンスの曲が流れる
仕掛け人形なのだ。アメリカでは誰もが知っているというチキンダンス。
鳴らしているうちにルームメイトににた天使たちが舞い降り、励まして去る。
男性は白い帽子をかぶらされ、そうだこの帽子の時は笑顔だとばかりにニッコリ。
男性は意を決して女性に告白をしに行こうとする。帽子が無くてももう笑顔。
そしてドアを開け、さわやかな気分でアパートメントを出る。
最後は映像。空しくも渡したはずのバラの花を顔面に投げつけられる男性。
とまぁ、こんな風なオムニバスダンスというかパフォーマンスでした。
アキ曰く「コントです」らしいのだが。やっていてもとても楽しかったよ。
彼女がこの作品を提供してくれたことで公演全体のコントラストが良くなったと思う。
アキ、ありがとう。じゃばらん、ありがとう。ONさん、オツトメご苦労様でした。