梅干し

この時期になると昔おばあちゃんがざるの梅干を裏返していた光景がよみがえる。
出来たては真っ赤でいかにも酸っぱそうな、それでいてとんでもなく美味しそうな。
経年したものは周りに塩が吹いたものが壺に収められ京都式の上り口の高い床の下に
置いてあった。一日一回、そこから壺のふたを開け食べる分だけ取り出した。
これと白ご飯だけあれば充分なくらい食欲がわき、一つの梅干で2杯は軽くいけた。
その原体験は歳をとっても変わらないのだろう。
いまでも食欲のない時は梅干し。白御飯もダメなときはおかゆ、とまるで病人だけど。
でもここ最近は「はちみつ梅」が好きな家族に合せて酸っぱいものは買わずにいたが
先日、生協で「塩と紫蘇だけをつかったもの」というのを信じて購入した。
届いて早速白ご飯でそれを食す。う〜!すっぱうま〜い!夏バテに効く感じがする。
やっぱり私自身は普通に酸っぱい梅干しが好き。
塩と梅と紫蘇だけでこれができるとは!神様のおぼしめしだね。
いつのまにか私達の周りの食品には添加物がいっぱい含まれていて、
好むと好まざるとにかかわらず口にしないではいられなくなってしまった。
大丈夫と思える野菜そのものさえ、もしかしたら種の時点で遺伝子操作されているかも
しれないと思うと暗澹たる気持ちになったりもする。
普通に自然のものが食べたい。夏には夏のもの、冬には冬のものでいいわ〜。
真冬にトマトやキュウリがあるのが変なんだよね。
誰もが豊かになりたいと思い、農家の人も懸命に努力された結果、今があると思う。
でも余らせて捨てるほどはいらないん。添加物なしでちゃんと消費できるものでいいん。
そんなに多くは望まないのだけれども。
今となっては反対にそれが贅沢になってしまったなぁ。