バッシ

「次にコレが取れたら抜きましょう」と言われていた歯の被せがついに…。
ずいぶん前から根元が割れていますと忠告されていたのだが、やはり抜歯するのは
なんだか勇気がいった。だって、もう生えてこないんだもの。
支える部分が少なくて、どうしても被せが外れやすく何度もつけ直してもらっていて
次はずれたら…とだましだまし来ていたが、もうあきません。
何より秋に公演を控えているのだし、その時にコレが元で歯が腫れたりしたら困る。
勇気を振り絞って「もう、今回ばかりは覚悟を決めたのでよろしくお願いします」と
歯医者さんにお願いした。
麻酔するのだし怖さはない、はずなんだけど。やっぱり気持ちは良くないね。
意外に根が張っていたらしく先生の力のかかり具合がハンパない。
顎ごと持っていかれそうだったし、何が痛いって器具の当たってる唇が痛い。
もちろん予防にリップクリームを塗っていったが、そんなのすぐに乾いちゃったわ。
ごりごりぎゅううう。。。と抜かれている間「50年間ありがとう」と自分の歯にお礼を
心の中でつぶやいた。生え変わってるから50年てこたぁ無いけど、ま、そこはええやん。
割れていたところはあっさりと抜け、でも頑固な根元はメスを入れられたりしながら
ゆっくりとさようならしていった。あ〜あ。
これで不快な思いをすることはないだろうしね、と思いつつも初老の気分を味わう。
ち〜ん、ですよ。