名誉挽回

ほむほむのエッセイ?といっていいのかな。
なんだか不思議な本だった。身辺のことにまつわる考察が意外なところへ着地する。
共感できるところが多々あって、おまけについ最近、自分が感じていることと全く
同じことが書かれてあったところには驚いた。同じ系統なのかな。
でも私はベッドで菓子パン食べたりしないし、ベッドと壁の間に落ちた靴下を
何年も拾わずにほっておいたりはしないけれども。
ところでほむほむ、この「ベッドでパン食べる人」という代名詞を恐れているらしい。
もともとご本人はコンピューター関係の会社員だったが詩歌を嗜む方でもあった。
そして、できれば筆一本で食っていきたいと決意を新たにされたのだ。
あるとき勝負に出たほむほむ。
その勝負というのが自分をさらけ出すということだったらしい。
そこに書かれていたのが「ベッドで寝ながらパンを食べるダメなオレ」だったのだが
その第一弾のエッセイ本が売れに売れた。
私も読んだが強烈すぎたものねぇ、アレは。
「大のオトナがすることじゃない」と思いつつ、そんなダメでネガティブすぎる様に
怖いもの見たさの気持ちが疼いたのを覚えている。
代名詞になっても仕方がないインパクトがあったもの。自業自得だ(笑)
最近、名刺交換したら「あぁ、あのベッドでパンを食べる…」と言われるらしい。
自分が死んでその人が何をした人かとざっくりで紹介される時にそれが代名詞に
なってしまうことを極端に恐れているというくだりには吹き出した。
でもほむほむファンの誰もがその奥にある繊細で思慮深い人物像を愛している。
きっと自分の中の一部分が強烈に共感するからだろうか。
巻末の芸人、ピースの又吉君との対談がこれまた面白かった。
同系列だったんだね、この人たち。
ところで日本人ならすぐ思い浮かべる渦巻きのアレ。(の箱)
それをもじった表紙が奮っているなぁと思ったらヨコオさんだった。