Time after time

赤と紫のグラデーションの衣装にするか?な〜んて軽口を叩いて始まったリハーサル。
一生乙女のTちゃんと「おやびん」ことHさんによるデュオ作品。
還暦には二人で踊ったら?と言っていたけれど、なんやかんやで時が過ぎてしまい
間にはトライアルシアターにてアケミちゃんと3人で「F」という作品で
ある種、自分史的なものをやってしまったお二人。
どないします〜?でもね〜誰だって今が一番若いわけだし。
やれるときにやってしまおうよ、と発破をかけてみた。のってきた(笑)
選曲の基準はお二人の年齢に合ったもの。そして内容もお二人に合ったもので。
このお二人、付き合いが古い。お互いの酸いも甘いも知る仲だ。
かといって普段ベタベタしているわけでもない。だからこそ長続きするんだろう。
そんな二人を象徴するような歌詞の内容を考えていたらこれしか思い浮かばなかった。
まずケイコ・リーという歌い手のチョイス。年齢的にはお二人よりもうんと下だが
そのハスキーにくぐもった声、しかもジャズというジャンルが二人にはもってこい。
もちろん押し付けたりはしない。
二人は「お任せします」と言うので何曲か事前に選んだものを聴いてもらっている。
大した作品は創れないかもしれないけれど、それなりにお二人の人生が滲み出るような
モノになればいいな、と考えていたところ、この曲に決まった。
一般的にはラブソングなのだろうけれど、お互いを思いあう、という意味合いで
創ってみようと思った。
「もしあなたが自分を見失っても、見えるはず
あなたはきっと私を見つけるわ
 どんなに時が過ぎても
 
もしあなたが倒れそうになったら
私が受けとめる
あなたを待ってるわ
 時が過ぎても 何度でも」
概ねにはこんな訳で合ってるでしょうかヨーコちゃん。
いつも遠くで見守っているよ、というような関係性。
何かあったら受け止めるよ、という信頼感。
対して舞台上では知らずリンクする二人の関係というような感じで創りました。
何度も言うようだけれど振付そのものには意味がないので、意味づけるのはダンサーの
役目だよ〜ん、と投げてみる。とにかく音に縛られずに動いてくださいと。
最近、本当に音通り動くことは重要で当たり前なのだけれど、それによって逃げていく
事ってなんて多いんだろうと思う。心が動いてこそ踊り、とやはり思う。
さて、お二人の首尾はどうだっただろうか。
クミコ大明神はとりわけHさんの表現に目が留まった、と言ってた。アッパレです。