たまたま携帯を触っていたその瞬間、一本の電話。
名前が出てこないということは番号登録していない人からということ。
一瞬、無視しようかとも思ったが、画面を見ていたその時だったので出ることにした。
「レイさんの携帯ですか?お久しぶりです!〇〇〇〇です!」
20数年ぶりの後輩からだった。不思議なことにフルネームは漢字で出てくるし
顔も浮かぶんだから、人の記憶って大したもんだと思う。しかし、なんでいきなり?
「クミさんにお願いがあって会ってたらレイさんに電話してみといわれたんで…」
この後輩ちゃんは大阪の東南の方で続けて活動している、とは聞いていた。
たま〜に風の便りで公演をしているとか、教えているとかは伝わってきてはいたが
直接会うこともなければ、ましてどこかに呑みに行くとかいうような関係でもなかった。
それがここへきて再度つながりはじめるとは…人生って面白い。
と同時に、逃げられないな、とも思う。いや別に悪い事してないんですけども(笑)
そんな事があって、近々会いたいとの旨。
こちらまで来てくれるというので京阪三条で待ち合わせをして会うことになった。
話のあらましとしてはこの秋にイベントをするのに協力を願えないかと言う事。
ま、それはいいとして。
後輩といえども、現役時代にめっちゃくちゃ接触があったわけでもないので
お互いがお互いのことを実はよくは知らなかったりもする。そういうもんです。
20数年の時を埋めるのに都合3時間はかかったかな。ほとんど聞き役。
話の流れとして、後輩ちゃんが辞めてから今までの経緯や、感じたこと、これからの
ことなどを喋る形になってしまうのは仕方がない。
しかし、この前の女子会からこっち人の話を聞いてばっかりで、内容は面白いのだが
いささか疲れた。耳が。だからどちらもその夜はぐっすりだ。
聞いているのは苦痛ではないのでいいのだけれど、気圧されてあまりにも自分が喋る
タイミングが無かったために「自分、穴?」と思えて笑えてしまう。
こんな風な仕事をされているT先生って、本当に大変だなと思ったわ。
もちろん先生のされている事とは内容が大いに違うのだけれども、聞くということに
ついては体力がいるものだということを身を持って知った感じ。
これってきっと後々になって、あぁこれにつながってたのか、と思うことに
なんとなくだが、なりそうな予感がするものだ。
潮目が変わった波長はここにも顕著だったりする。