しょっぱい

旅行に持って行って一気読みしたもの。これで有川氏は今の時点でコンプリートだ。

塩の街 (角川文庫)

塩の街 (角川文庫)

有川氏のデビュー作にして、これに続くのが「海の底」「空の中」だ。
全部逆さま読みしてしまったけども。
突然、どこかから塩の結晶とみられる巨大なものが世界各地に現れる。
それに端を発してか「塩害」と呼ばれる奇妙なものが蔓延し、ほとんど都市の機能を
果たさなくなっていく東京。人が塩の塊になってしまうのだ。
一見、SFミステリー風だが、軍事オタクらしい有川氏の得意技があちこちに。
それにふとしたところで笑わせるラブコメ手法も見て取れる。
本人の著したあとがきにもあったけれど、そりゃやはり荒削りな感じはあるのだ。
それに比べて現在の有川氏の文章や物語構成の上手さときたら!
でも荒削りさはそれとして、グイグイ引き込まれるのも確か。さすがだなぁ。
作家というのは妄想力がハンパない。そうでなくてはできないんだね。全く感服です。