紅葉ライトアップ

朝、いきなりダーリンが「天神さんのもみじ苑に行こかと思てる」と言うので
寒かろうと着込んで化粧までしたのに「行くのは夜やで」と。なんやねん。早よゆいな。
昼間は結構な量がんばって仕事して、夕方になって出かける。
おばあちゃんは足の神経痛が痛いからとドタキャン。親子3人で出かけることになった。
さむ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ。関東ではこの冬一番の寒さとかだが関西も充分寒い。
北野天満宮に行く道すがらから晩御飯は何にするかの話題ばかり。情緒もクソもない。
駐車場に車を入れ、牛の頭を撫でてから本殿手前の参道脇にある紅葉苑へ。
ここは天神さんなだけあって春には梅が咲きほころぶ梅苑があるが、紅葉は初めて。
…というか入るのにもお金がいるため滅多なことでは来ない。梅苑ですら何年前か。
まだまだ枝だけの梅苑を抜けて右手の茶店を横目に奥へと進む。
ちらほらとライトアップされた紅葉がお目見え。ほぅ、キレ〜イ。
この時期、もうあかんのちゃうん?と思っていたけれどやはり今出川より上は寒いよう。
たまに葉が縮れているものもあるけれど、まだまだ深い赤に遠いものもある。
紅葉苑を進んでいくと鬱蒼とした森、というか、若干貴船っぽい景色に変わるのだ。
へぇ〜こんなふうになってたんだ、天神さんの中って。
苑の中央には紙屋川が流れ、朱色の橋も所々にかかっていて風情がある。
観光客はこれを見たらやはり京都らしい、と感じるんだろうな。
そして観光客も実際に多いのだった。中にはガラガラを引っ張ってる人まで。
あの〜それ、どこかへ預けたらどうです?整備されてるけど若干山道ですよ?
奥に行くほど紅葉がいっぱい。楓だけではなさそうだけど、とても見応えがあった。
知らんかったなぁ〜とばかり呟いていた私。興味のなさそうなムスメ。
意外に一番のロマンチストはダーリンなのかもしれない。
ごく一般の京都人は実は京都のことはあまり知らないと思う。
趣味がある人や、京都文化を推進する人や氏子さんなど、ある立場の人間しか
あるいは京都以外から京都に来た人しかこういったものは身近にありすぎて無関心だ。
いや、断言はできないが、たいがいがそうだ。(私が下町出身だからかもだけど)
けれども観光客がこぞって殺到する場所はやはり何かあるのかな〜と思う。
きなこの散歩の道すがら思いがけないところにびっくりするくらいキレイな紅葉を
見つけて満足していたけれど、やはりちゃんと手入れされている場所はそれだけの
ことはあるな、と素直に感心した。
お茶菓子付きのチケットだったので茶店であったかいほうじ茶と御所車という
和三盆を型押しした中にアンコの詰まってる老松さん特製のお菓子を頂き帰途につく。
素朴な味わいのお菓子とほうじ茶で、あぁ、昔はこれが贅沢だったんだろうな、と
もったいなくも飽食の時代にある今を思ってしみじみしていた。
足元から震え上がるほどの冷えがある中、お坊さんの修行は大変そうだな、とか
そんなことも思ったり、なんとなく舞台のイメージが湧いたり。
紅葉はやはり陽の光に透けるのが一番綺麗だと思っているけれども、あの暗闇の
何とも言えない雰囲気の中では瞑想的な感覚が刺激されるようだ。
いい時間でした。
その後、娘の強い要望によりラーメンを食べて帰ったのがウチらしいといえば、そう。
なんとも俗なことで。