曲と踊りの関係(1)

大変、たいっへんに個人的な感覚の話として捉えていただきたいのだが。
昔、師匠に「踊るときは曲想が大事なんだ」と言われたことがあった。
今思えば、それはつぶやきに近いようなものだったかもしれないし、
穿ってみれば私に教えてやろう、と思われたのかもしれない。
とにかく、その時から「曲想」というものをまず第一に考えるような癖がついた。
そもそも曲想という物自体、作者が明言しているならともかく、クラシックなんかは
作曲家が没したのは500年以上前だったりもする。
解説は数々あれど、それが正解かどうかというのは判断の難しいところだ。
つまりは結局のところ個人的な感覚を持って感じるしかないようなあやふやなもの。
その辺の感覚が合うかどうか、というのも相性に近いような気がする。
発表会では実に様々な音楽をチョイスする。
趣味で選ぶものもあれば、テーマに沿って探しまくって持ってくることもある。
私の好みはここでも何度か書いているとおりインストゥルメンタル曲、つまり歌のない
曲である。創るのに四苦八苦する人間としては曲に助けてもらうことが多い。
そのイマジネーションの広がるのが歌のない曲であることが多いのだ。妄想族だからね。
今回の発表会では第一部に「SONGS for you」と題した小作品を集めた。
フォーユー、ですよ。そのテーマそのものがメッセージ性を帯びていることになる。
前回の発表会が終わった直後から、レッスンは通常通りある中で(特に滋賀では)
次回の発表会を目標に据えた作品作りが始まっていた。なんせ時間がかかるからさ。
やるかやらないかも決まっていない段階での作品創りは厳しおすえ〜。
でも発表会というのは一義的には生徒さんのためにやるものだから、レベルアップを
目指して練習することが求められるし、その結果の発表という形を取ればいいのだ、と
前回舞台に載せた作品よりは難しいことをしようという方向で、まず、始めた。
そこで選んだのが滋賀の場合はクラシック音楽だった。オペラの間奏曲だ。
発表会という性質上、あまり長い曲は難しい。そこそこ(3〜5分)で踊る人に
似合う曲。…踊る人たちに、似合う。ここがまた結構大変なんだ。