女の逆襲
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/15
- メディア: 文庫
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一芸入学にも等しい「器械体操の成績による推薦」という荒業で推薦していただいた。
そこは商業高校だったので「卒業したら就職」が当たり前な学校であった。
もちろん進学クラスなるものもあって、大学に行く子もいたが概ねは高卒で就職の
道を選んだように思う。その就職先の花形はやはり銀行であった。
今にして思えば、その学校から入行するというのはかなり難しかったのかもしれない。
私自身はペーパーテストがなく面接が入学試験のようなものだった。
面接時「卒業したらどんな所へ就職したいですか?」と聞かれ
「はい。銀行に行きたいです」と言ったのは、この口だ。恥を知れ、恥を。
私のようなオツムで銀行になんか入れるわけないって。
その時の面接官(先生)は「ほぉ。じゃ、頑張らないとね」とうっすら笑っていた。
そりゃ笑うよ。でもって結局はダンサーになるという全くの道筋のなさ。
ま、そんな恥さらしな話はいいとして。
花咲舞という、なにやらピンク色な感じの名前の主人公は、キレたらすごいんです。
上司からは「狂咲(くるいざき)」という不名誉なあだ名で呼ばれている。
銀行員ではあるけれども指導員と言う、支店とか直接の窓口に関わる仕事ではなく
業務が滞りがちだったり、いくつかのミスが重なったりする店に出向いて
ミスを正し円滑に業務がまわるよう指導するというお目付け役のようなもの。
同じ銀行員だけれども、ある種目の上のたんこぶ的な存在ではある。
そんな彼女がそれぞれの店で感じる理不尽や横暴や謀略に断固立ち向かっていく。
帯には一番スカッとする、とあったけれど、それは感じる人それぞれかな。
ちょっと残念なのは花咲舞という人物がそんなに魅力的には思えなかった事。
いや、確かに勧善懲悪はスカッとするし彼女は筋が通ってるしカッコイイけど。
なんだか女性としての描き方が物足りない。それ、池井戸氏は不得手なのかも。