この冬のコート

ここ5年くらい…いや、下手したら7年くらい冬は同じコートを着ている。
もうたいがいなのだ。だって手を突っ込んだらそこはブラジル。
いやいや、ブラジルに通じるくらいの穴が開いてるっての!
つまりポケットの底が抜けているわけです。(補修しろよ)
毎年、冬になったら新しいのが欲しいな〜と思いつつ過ごしていた。
とあるお店に季節外れで処分品として出ていたダウンコートがよかったけれど
色がどうしても気に入らずに見送った昨シーズン。
今年こそは、と思っていた矢先ダーリンがアウトレットに行こう、と言い出した。
へ?お誘いがあるってことは、もしかしたら買ってくれちゃったりとかする?
薄い望みだけど、ここはひとつ期待してよいんではないかしらねっ。
私自身はお金が潤沢にある時など一切ないので、アウトレットだからって財布の
紐がゆるんだりはしない。それに断捨離は常に心がけているのだし。
本当に欲しいか、本当に必要かを問うことを自分に言い聞かせてついていく。
ムスメも雨で部活がなくなったため予定より早く出発。
アウトレットモールは10年ぶりくらい。
せっかく近く(竜王)にできたんだから一度行かないとねと言いながら、やっとだ。
ムスメは既に買ってもらうものの胸算用をしている。
あんたはエエね。いつでも何でも買ってもらえて。
雨の中、一路名神をひた走る。竜王インターを降りたら、もう降りたところから
係員の駐車場案内が…。すごい。それに本当にインター下りてすぐなのね。
館内も広い!アウトレットなのでそこそこのブランドも入っている。へぇ〜。
本当に欲しいものがあったら、ここはお買い得だな。
とりあえず腹ごしらえに昼食をとる。これは私のおごり。…計算…もあったりする。
ま、なんでもかでもおんぶにだっこではいかんだろうし。ごはんぐらいね。
とりあえず一通り店を見ていく。私が欲しいのはコートと靴。
余程気に入ったものがあったら何とか、と思うが、なかなかない。
ダーリンは靴が目当てのよう。えっ?また靴?と言う言葉は軽く言っておく。
靴ばっか買ってないかぃ?ま、必要なんだろうからいいけどさ。
買い物行くって言ったら靴ばっかり買ってるよね。1シーズン1足は買ってる。エエけど。
ムスメもこれまた靴だ。どこまでも似たモノ親子やねんね。それにパーカーだって。
それにジーンズも欲しいとか。どんだけ強欲やねん。
指をくわえてみていたら「なんか欲しいもんあるん?」…来た!!!
「ある。コートが欲しい」「1万円くらいやったらカンパするで」…カンパはいらん。
とはいいません。「ほんま?買ってくれる?」「…買わんこともないけど」
かくして、陽も暮れた頃からコート探しの旅が始まる。
いや、それまでの店でも散々冷やかしたがお目当てのコートがないのだ。
みんなショート丈なんだよ。それじゃないのよ。膝くらいまでのが欲しいの!
ダウンならアウトドア製品が一番だ、と思っている。防寒第一!
しかしここでも期待を裏切られる。ほとんどショート丈。タウン用はないらしい。
一件だけあったが、ムスメにオバサンくさいと却下される。え〜?そう?
もうオバサンやからええねんけど。どうせきなちゃんの散歩に着ていくんやし…。
しかし、それはやはりどうしても欲しいものか?と問われたら考えるものだ。
丈の長いのがそれしかない、という理由では悲しすぎる。妥協はやめよう。
「ええわ、某店でまたみるわ。安くないかもやけど…」と言いつついみじくも
あちこち入っては冷やかしてみる。でもどれもコレ!というものがない。
もうエエ加減帰ろうか、と言いつつ最後にと入ってみた某ブランド。
何がいいのかわからないけど結構高いのよね、ここ、と思っているブランドだ。
それに、若干だがヤンキー臭が…。私はこんな顔でもトラッド派なので。
見渡してみたらなさそう…ん?…もしかしてアレは?
薄い緑がかったグレーのようなミディアムロングダウンコート。
エレガント過ぎず、質実剛健でもなく。羽織ってみるとムスメがうなずく。
「それやったら許す」別にアンタに許してもらわんでもと思うが、ムスメは手厳しい。
かくして手に入れたダウンコート。ひゃっほう!ダーリン、ありがとう!