セイシンリキ

人生は選択、とよく言われるが。
二者択一ではないにせよ確かに日々なにかを選んで生きていると思う。
簡単なものから「ここを間違うと今後の人生に影響する」という重大なものまで。
とはいえ大抵が間違いに気づくのは後からだったりするので、選択の余地があるのは
まだまだコトの手前であるのかも。選べるというのは幸運なのかもしれない。
もちろん自発的に選ぶばかりではなく、消極的に選ぶことも多々ある。
選ぶというよりは勝負に出ない。先に下りてしまう、ということ。
半沢直樹じゃあるまいし、別に闘って生きているわけではないにせよ。
下りてしまうと楽だろうな、ということには日々いきあたってばかりだ。
例えば美容。
覚悟もしていたし、人間そういうものだと思ってたし、殊更アンチエイジング
意識してはいなかった。どちらかというと無防備すぎるくらいで。
それでも気がついたら腕の内側にちりめん皺を見つけることになったりすると
やはり「そうなのか〜」と少し落胆したりもして。
そんなことで落胆する自分にこれまた落胆したりして(笑)
もとより抗うという行為がスマートでなくて嫌なんだよ。
そんなことより内面の充実だ!と私は明治時代のオッサンか、と思ったりする。
いつだったか、なにわのおねぇはんが「若いって素晴らしい!羨ましい!」と
それはもう心からの叫びを声に出したことがあった。
その時、私はまだ色々な実感がなくて、それでももう若くはなかったので
「確かに。でも歳を重ねた人間にしか出ないもの、出せないものもありますよ」
なんて、年上のおねぇに向かって偉そうにも言い放った気がする。
あの時の心の叫び(笑)は今更になって時々実感として迫ってくることがある。
誰もが行く道、来た道。
美容なんかどうでもいい。いや、良くはないがそれは順番的には後ろの方だ。
私にとっては健康や、筋力や、関節の方が最重要事項。
それに「踊りたい」と思える心。瑞々しい感性。感動したいと思う気持ち。
それなりに努力することを「抗い」と思わないような精神を養いたい。
…下りたら楽だろうなぁ、と心の片隅で思いつつも、それを御する精神力。ヤァッ!