男女の違い

原田兄妹のお兄さんの方。

劇場の神様

劇場の神様

ムネノリさんのは若いときによく読んだ。
「スバラ式世界」とかエッセイを中心に。「優しくって少しバカ」は小説だったっけ。
軽い語り口で、優しくって、面白くって。でもいつの間にか読まなくなっていたなぁ。
そういえば、この著者、うつ病にかかったという話も聞いた気がする。
そしてそれを聞いて「やむなし」と偉そうにも思った記憶が…。
だって、本の内容が繊細で気がつきすぎる人だなぁという印象があったのだもの。
それまでは快調にエッセイを出し、出したら出しただけ売れていたようだったが。
読まなくなったのと前後して、本屋でもあまり彼の本は見かけなくなった。
けれど最近また本屋で良く見かけるようになった。
とはいっても軽く15年は経っていそうな気がするが。良くなったのかな。
ここのところは妹である(妹だからって何の関係もないが)マハさんの本を手にするが
図書館で当然のことながら同じ並び(H欄の原田…)にあったので、つい手に取る。
短編集だ。どれも少しだけセピア色が混ざっているようなキュンと懐かしい感じで。
ただ、どこがどうとも言えないのだが男性の作家と女性の作家は視点が違う。
小説家なら誰もが切り口が違って当然のような気もするけれど、なんだろう、この違い。
掘り下げ方の違いか、寄り添い方の違いなのか。
そうだな〜女性の方がより密で男性は少し突き放した視点が多い気がする。
誰ともなく。全体の印象として。こんなに優しそうなムネノリさんでさえも。
それでもそこはかとなく繊細な印象は変わらない。
これから先もあまり自分を追いつめてしまわないよう読者として祈るばかりです。