発表会について(3)

古巣を離れる時に決めたこと、ふたつ。
「もう踊らない」こと。そして古巣での人間関係を使わない、こと。
一つ目に関しては早々に覆らせてしまい、当然、いの一番に師匠に詫びを入れた。
その時は笑って許してもらえたが、きっと不快には違いないだろうと今でも思う。
でも、そこはごめんなさい。自分にとっての踊りの命題が見えたからには仕方がない。
そして、それは先生の下にいてはできないものだから。
プロとして踊りを捉えていくのではなく、あくまでも個人的に精進していくものだから。
それに商業ベースには決して乗らない種類のものだから(苦笑)
もう一つの自分への約束は、それなりに守られてはいる。
かつての場所にいた頃からのつながりが途絶えているわけではない。
実際、その当時からのお付き合いの方々に今でも教え、講師として招かれてもいる。
けれども、その方々は少なくとも舞台をしていく上での戦力にはならない方々だ。
だからよしであろうと判断する。
たまたま創設を手伝うスタジオが古巣の近くであったので、いわゆる私が古巣の
身近な人達を引き抜くことを懸念されていたのだった。
そんなこと、絶対しない。
古巣を離れることで私は充分過ぎるほど先生を裏切った。
だからそれ以上、裏切るようなことをしてはいけないと自分を戒めているつもりだ。
聞かれれば答えていたけれど、自分からは「新しいスタジオを手伝っているので
遊びに来てください」とか、そういったことも言わないようにしてきたつもり。
古巣で生徒と言えども第一線で活躍しているかつての生徒さん達には特に。
だから私が新たに教え、踊ってもらう人達とは新しい関係を構築してきた。
今の京都で踊っているメンバーがそれだ。
それぞれがそこそこキャリアもあり、中にはインストラクターとして活動している人も
いれば、まったく一からダンスを始めた人もいる。
ルイトモなのか、何なのか。一定数以上には何故か膨らまない(笑)
でも間違いなく楽しいですよ。バカ言って笑ってばかりのレッスンだけれども。
それに私が頼りないのでトップダウン方式ではなくみんなで相談、型でやっている。
特に次回の発表会では、その傾向が顕著。私は楽させてもらえてます。
丸投げされた方は目がさえて寝られなかったりもするようだけれども。
でも、この気楽さ。決して不真面目ではない楽しさ。
絶対に舞台に反映されるはずだ、と確信する。
踊る人間が楽しむことが何よりも大事なこと、なのだ。発表会ってやつは。