星の数だけ

星がひとつほしいとの祈り

星がひとつほしいとの祈り

原田マハさん。短編集。どの作品もほんわりと心があったかくなったりする作品ばかり。
しかし、この方、たしか経歴がずらずら〜っと多種多様多岐に亙り、小説家としての
デビューは割合に遅かったらしい。
それでなのかどうなのかはわからないけれど、作品の中で使われる言葉もそうだし
題材にしても何にしても実に幅広く手広い印象があるなぁ。
昔、クミコ大明神と舞台について話していた時「発表会にしても公演にしても、やるのは
3回まではきっと簡単やねん」と彼女が言うのである。
確か、それってまだ私が初めて舞台を手掛ける前だったように思うけれど。
続けることの大変さはうっすらとわかりつつ、それに無から有を創り出すことの大変さも
言うは簡単だけれど、さて実際やってみろと言われた時の難しさは想像に余る。
いくら門前の小僧とはいえ、ねぇ。
その頃、すでに門前にはいないわけなので、何かあった時、誰がフォローを?という気も
したし、そんなこと考える余裕もなかったような気もするが。
結構あれこれ見て批判的なことも口にしていたこともあったが、さてでんぐり返って
それを自分がやるとすれば、どんなにか大変だということが良くわかった。
ま、好きか嫌いかくらいは言っていいと思ってるんだけどね。
確かに発表会も次回で4回目となり、クミコさんの言う3回目を越えて
創るのは相変わらず大変だけれど越えてこその何かが見えるのかもしれないし。
いずれにしても何かを創るというのは(有り余る才能を持っている人は別として)大変。
最近ではどのジャンルのどの方面向いても作者の方を向いてしまいがちで
頭を垂れるばかりで、もうめり込みそうなんである。
原田さんのようにあれこれと実体験を重ねたからこその様々な切り口での作品は
すんなり読めるけれどもやはりきっと大変には違いないと思う。