探しものはなんですか

生きるぼくら

生きるぼくら

森さんの文庫は出掛ける時用、これは図書館から借りて夜読む用。
折りしも芥川賞直木賞のノミネート作品が発表されて、その中に原田マハさんが
入っていたものだからいきなり図書館から原田さんの本が消えている。
ノミネートされた「ジヴェルニーの食卓」なんか調べてみたらいきなり300人待ち。
この本はその直前に借りられたもの。運が良かったというべきか。
引きこもりの主人公が田舎でコメ作り体験を通じて開いていく物語。
と、簡単に書いてしまうとそうだけれど、先日読了した「本日はお日柄もよく」と
同じく、冒頭からぐいぐいと物語に引き込まれる。で、一冊読んでしまい寝不足と。
なんだか知っているような気がしたのは、主人公の性や登場人物は違うものの
瀬尾まいこさんの「天国はまだ遠く」と風景その他が被ってしまったな。
どちらも傷ついた心が自然とそれを囲む人達に癒される、といえばそうだからか。
富士山も世界遺産に登録され、でもニュースでまるでラッシュのような登頂風景を
観ていると「癒されるのかしら」と気の毒になってしまう。
そもそも癒されに行こうと思って登る人は少ないのかもしれないけれど。
でも、あれだけの人がいたら山道を迷うってことはなさそうで安心と言えば安心かもね。