かたじけのうござる

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)

万城目さんの文庫。本屋で手に取りぱらぱらとめくるも買うまでには至らずだったもの。
といつつ結局は買っちゃったんですが。
この方の小説、実はちゃんと読んだことがなかった。あ「鴨川ホルモー」は読んだか。
ファンタジー小説ってのかしら。架空のものが出てきたりしてね。
そういえば「鹿男あをによし」も読んだわ。その2冊だけだったけど。
この本の主人公、かのこちゃんは小学校一年生で入学したばかり。
なかなか指しゃぶりが治らない女の子。マドレーヌ夫人は、かのこちゃんの家に
いつの間にか住み着いてしまった猫で、老犬の元三郎と実は夫婦である。
犬語が話せる猫と猫語が話せる犬。そしてかのこちゃんと友達のすずちゃん。
それぞれがそれぞれの世界で生きているのだが、ある日マドレーヌが猫又に。
ね・こ・ま・た、て。あ、ネタばれしちゃったけど、大丈夫か？
これが万城目さんの面白いとこだったりもするが、今回は突拍子もなかったなぁ。
いや、毎回か（笑）でも、そのことがそれぞれにとっての接点になるところで
やがて悲しいお別れがそれぞれにやって来て、そのあたりにきゅんとする。
何はともあれ、かのこちゃんとすずちゃんの会話がえらく渋いのである。
「〜でござるか」「刎頸の友」とかさ。
そしてかのこちゃんのお父さんは、鹿と会話ができるそうで…あれ？
てなとこも楽しめる小説でした。読まれる方は「鹿男…」を読んでからをお勧めします。