飛び石思考

昔、師匠から「オマエらは垂直思考だな」と言われたことがある。
つまり物事を整合性を持って順々にしか考えられない、と。
ダンサーなら並列思考で物事を捉えろ、と。
なかなか難しいことですが。
少なくともその言葉を留め置いているつもりですが、なかなかに。
もとより凡庸ですゆえ。いや、謙遜でなしにホンマに。
若い頃は無根拠な自信があったり、猪突猛進ゆえの見えてなさもありで
並列の大切さがあまり良くわかっていなかったのですが
こうしてモノを創り出すと、その重要性が身に沁みますわぁ。
なんて私は普通なんだろう。なんて直球なんだろう。なんて幼いのだろう。
複雑なことがいい、とも言い切れませんが、ワクワクがないよね。直球は。
わかりやすいことは悪くないと思います。が、ドキドキに欠けるなぁ。
もっとワクワクするような、ドキドキするような作品を創りたい。
そんなことを考えていた時に観たニットの芝居。
軸はとてもシンプルなのだけど、あちこちにドキドキワクワクの罠がある。
この作者の頭の中を覗いてみたい衝動に駆られる。すごくワンダー。
並列と垂直がない交ぜになった、いわば飛び石的な作品。
踊りには当然のことながら台詞がないので、作りとして全然違うのだが
ドキドキワクワクが散りばめられた作品が創れたらいいな、と思う。
…ドキドキワクワクの方向性に問題がありそうな気するのは、おいとこう。