忙しいはずなのに

奇貨

奇貨

かなり切羽詰まっているはずなんだが読書が止まりません。
でも読書の秋ですからね。…一年中か。活字中毒ですからね。
TV番組に芸人や芸能人を騙してびっくりさせ、それを隠しカメラで撮り
そのリアクションをネタにして笑うという手法があるけど、アレはやだな〜と
常々思うのであって、それは自分がもしその立場だったらと考えるからだよ。
ソファに寝っ転がって、しかもそのソファの背もたれに足をかけてる姿なんか
見せられたもんじゃありません。そこだけでも芸能人って大変だなと本当に思う。
心の休まる時はあるのかしら。心配になっちゃうね。ノイローゼになりそう。
この本、草食系オジサンと元部下のレズビアン女性との奇妙な同居生活の途中
女性に女友達ができたことにより均衡が崩れ、破綻を迎える日までのお話。
ずっと生温く優しい風が吹いているような感じだった。決して爽やかではない。
でも仄暗く湿った穴にこもる安心感というか、なんだかそんな感じ。
主人公である万年青年が暴挙に出ようとしたことを歯噛みする思いで読み
でもまたそういう欲望が誰の心にもあるであろうことを考えると断罪できない
という感覚もあり、で、心がしんとする小説でした。読了感も悪くなかったな。