鍵はどこだ

前回の合同練習で観られなかったので、ということでイズミさん参戦。
通常のレッスン時間から食い込んで来てくれました。
昼から夜まで、お疲れさま。
本日のメインイベントは3人そろった「F」を観ること。
どうだったかいね?…と評を聞きつつ。
お三方にはそれぞれのテーマがあてがわれ、まだまだ揺れている。
それぞれ、ご自分のことをテーマにした作品なんですが
それはそれで難しいようです。ま、踊りだもんね。しゃべるわけじゃないし。
結局のところ、それを踊って「何をしたいか」というところです。
作者である私とは感覚が違って当然のところ。
私はその作品で観客のみなさんに感じてもらいたいメッセージがあります。
でも、それは踊っている本人たちが考える必要のないところだと思う。
必要がない、とは言い過ぎかもしれませんが
それは作者であり、演出である私が考えるべきところであって
踊る本人たちはひたすら「本当のことを踊る」のが至上命令なんだよ。
踊るたびに(つらいでしょうが)当時の感情がリアルに蘇る、そんな感覚。
毎回、目に見える風景が同じである、そんな感覚。
そういう精度を高めていくことこそが、ここからの練習ですよ、と
口幅ったくも、そのようなことをアドバイスさせてもらいました。
続いて若者たちには、最後の曲まるまる振付。
曲のテンポが速いので踊っても、々々、終わらん。
たっくさんあったのに、よく覚えてくれた。これで振付は上がった。
もちろんまだ完ぺきとは言い難い。でもまず覚えるということは必要ね。
さてさて、ここからだよ。ここからだ。
いままで、長くても6分ぐらいの曲を踊ってきた彼女たち。
初めて20分の作品。それも若干ストーリーのあるもの。
かといって、芝居ではない。
あくまでも踊りなので、動きで、身体で、表現することになる。
本当に初めての壁にぶち当たる時もあるかもしれないけれど。
でも意外にワカモノって「やりきる力」を持っていたりするし。
すぐに『世界に没入』できる特性って、あるのよね。
そこに期待しています。ただし、ぶれないこと。それが至上命令。
踊りと身体が直結する感覚を味わってほしいと思うし
それによって、観ている人からの評価がちゃんと返ってくることを
受け止めて欲しい。(それは恐ろしいことでもある)
「人前で何かを表現すること」という世界を味わって欲しい。
自分が違う世界の住人になる感覚を存分に味わってみて欲しい。
単に「自分が楽しいから踊る」のではなく
作者によって創られた作品を表現する人になる、ということ。
そんな世界を知って、味わって、そして続けていけるように。
プロとかアマとかは関係のないところです。
う〜ん、楽しいな。